THAT WINTER DAYのブログ

マドモアゼルいくこ様のレシピに挑戦します。

好きですマドモアゼルいくこ様

こんにちは。今度からこちらのブログ「THAT WINTER DAY (仮)」でマドモアゼルいくこさん関連の日記を書いていきたく思います。

 

コンセプトというか目標としては、いくこ様レシピを1つ作るごとに1記事ここに上げていくイメージです。更新ペースは不定期で。

 

今回だけ、自分のいくこ様への思いを好きに書きます。(私の別ブログの「朝の散歩」で、2023年1月13日に公開していた内容を移転・再編集したものです。(これから5記事くらいも再掲の予定。))

 


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こんにちは。今日は好きなレシピ本について書きます。

 

みなさまは、マドモアゼルいくこさんをご存知でしょうか。お菓子・料理研究家さんです。しかし、活躍されたのは40年くらい前で、その期間は数年。出版されたレシピ本は多分5〜6冊ほど?ですがその数冊の持つ、独特の世界観・存在感の強さで、私自身を含め未だ根強いファンがいると思います。

 

 

www.fukkan.com

 

<いくこさんのレシピ本の特徴>

■写真がほぼない。
ないんです。工程写真はおろか、完成写真も。40年以上前の本当はいえ、当時すでに写真入りのレシピ本はたくさんあったと思いますが、いくこ様のにはほぼありません。

 

■イラストはめちゃくちゃ載っている。
写真の代わりに?かわいいイラストがほぼ全ページに載っています。料理の完成イラストや調理工程のイラストなど。

 

■そのイラストがはちゃめちゃかわいい。
料理と直接関係ないイラストも沢山載っています。いくこ様は武蔵美出身で油絵を専攻されていたようでして、イラストもとってもチャーミングなんです。

 

かわいさのジャンルは、とっても乙女な「昭和ファンシー」といった感じでしょうか。服を着て歌って踊る動物や食材、お花にリボン、女の子的な。そういう路線の絵本感覚でも楽しめるレシピ本だと思います。

 

■料理名が独特。
・ブルブルサンドイッチ(おいしくて震えるから)
・森の湖(思い出の場所にちなんで)
・愛の巣ポテト(新婚夫婦に教わったから)
・ヨーグルトポムポム(ヨーグルトと林檎2個使う)
・アップルファンタジア
・Mr.ハリネズミ

などなど。かわいくないですか、私は大好きです。もちろんストレートなネーミングの料理もたくさんありますが、こういったいくこさんのセンスで名付けられた料理はついつい作ってみたくなります。

 

■ポエムも出てくる。
料理名の由来エピソードや、乙女でファンシーなポエムもまあまあな比率で書かれています。

 

この「イラスト」×「料理名」×「ポエム等」の掛け合わせで、いくこ様ワールドが唯一無二のものになっているように思います。

 

もし、他にいくこ様と似た雰囲気のレシピ本をご存知の方は、ぜひ教えて欲しいです…!(純粋に読んでみたいので)。児童書のこまったさん・わかったさんシリーズは雰囲気近いかもですが、やっぱり別物といえば別物と思っています(どっちも好きです)。

 

■でも、レシピ内容は冷静。
ここまでの説明だと、「”レシピ”本としてはどうなのよ?」という書き方ですが、レシピの説明自体は淡々としていて、なおかつ明瞭。作ったお料理はちゃんと美味しいです!お菓子などはちゃんと材料はグラム数まで明記されてますし、コツや失敗しないポイントもしっかり書かれています。

 

 

<いくこ様レシピ本の好きポイント>

■「料理」がしたくなる時に。
いくこ様レシピの多くは、いわゆるお手軽・日常系のタイプではないと思います。洋風のものが多く、比較的材料や道具を多く必要として、手間がかかります。そのため、「毎日いくこ様レシピでお料理してます」というわけではありません。

 

そのかわり、たまに自分の中に訪れる「なんか、がっつり、料理したい!(事前に材料をしっかり揃えて、台所で数時間過ごしたい)」モードの時はいくこ様のレシピ本を開いています。大変な分、作り甲斐があります。

 

■色々想像できる。
イラストと文章の説明があるとはいえ、手元で作っているものが正解なのかわからないスリルも、いくこ様レシピの楽しさの1つなのかもしれません。たまに作っている途中でボウルの中で材料たちが不穏な形状になっている時は、何度も心の中で「いくこさーん!これでいいのー??ねえー!」と叫んでいます。

 

あとは、なんとか完成させたお料理を見て、改めて料理名に想いを馳せたり…。自分だったらこの料理にこの名前はつけらんないなと、いくこ様リスペクトが強まります。

 

■時代を感じる。
イラストや文章の内容もレトロかわいいんですが、レシピ自体も懐かしい感じがします。材料にミックスベジタブルがよく出てくるのとか、甘さ控えめとあるけど最近のお菓子としては平均的な甘さなのとか、バターよりマーガリンをおすすめするあたりに、当時のお菓子・料理事情が伺えます。そういうところも楽しいです。

 

 

<いくこ様レシピ本の思い出>

私が最初にいくこ様レシピ本と出会ったのは、小学校3年生くらいの時の、ある冬の日でした。自宅の半分物置みたいな普段あまり長居しない部屋の本棚に、ひっそりとそのレシピ本は置いてありました。自分が生まれる前に親が購入した本のようで、背表紙には全然おしゃれじゃないフォントで「秘密のケーキ作り」「秘密のクッキング」と黒々と書かれていました。

 

きっと暇だったんだと思います。「なんだこの本は?(レシピ本とも分かってなかった)」と私は何気なく手に取りました。(ケーキという言葉に惹かれたのかもしれません)。本の側面は茶色く変色していて、シミもぽつぽつ。表紙には可愛いけどちょっと独特のイラスト。普段図書館で見かける本と雰囲気が違い過ぎて、少し警戒しながら中をのぞきました。

 

そこからはもう衝撃というか、今まで見たことない世界が広がっていて大興奮でした。その場にストーブを持ってきて、ぬくまりながらこの2冊のレシピ本を何時間も眺めていました。

 

あとから母に「この本はなんなの!」と感激しながら聞くと、特別思い入れのない感じで「あー、昔使ってた料理本ねー。”悪魔のささやき”とか美味しかったなー。」と、さらりと答えてくれました。

 

本には単なる経年劣化では付かないであろうシミや、えんぴつでの書き込みがあったので、母がある程度使っていたことは分かっていました。しかし母にとっていくこ様レシピ本はもう「過去の本」になっていたのです。

 

そのため、ありがたく私はこの2冊を譲り受け、その後も繰り返し読むようになりました。しかし残念なことに我が家にはオーブンがなく、また子供が台所に立つことを良しとしない家庭だったので、実際にレシピを作ることはほとんどありませんでした。

 

はじめて一人暮らしすることになった時、レンジはオーブン機能付きのものを選び、満を持していくこ様レシピを作った時の楽しさったら。やっといくこ様ワールドに飛び込めた気分でした。

 

それから何度も引越しする機会がありまして、その度にその時持っている本や漫画を次の引越し先に持っていくか選別していましたが、いくこ様レシピ本は皆勤賞というか、ずっと手元に置いてきました。もちろん今も。

 

正直、現在バリバリに活躍されている料理研究家たちのレシピの方が「おいしい・かんたん・ヘルシー・洒落てる」などの条件が揃っているものが多いです。私もそういったレシピに普段めちゃくちゃお世話になっています。

 

それでもやはりいくこ様レシピ本からしか摂取できない喜びがあって、それを求めて今も本を開いてしまいます。

 

料理の作業自体は、実際は全然可愛くない。材料を買い揃えて、計量して、切って・焼いて・混ぜて・並べるなどの加工をして、みたいな。そんな料理をファンシーさでくるんで、夢を見せてくれる。私の中の料理への憧れの気持ちを育ててくれたいくこ様。多分これからも一生好きです。(ファンレター)

 

これまで数十個はいくこ様レシピを試しましたが、うまくいくものもあれば明らかに失敗してしまったものもあります。そのどれも楽しく、良い思い出です。試したことのないレシピがまだまだあるので、これからも挑戦していきたいです。

 

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※写真は先日作ったいくこ様レシピのバナーヌガトー。これも、成功しているのかどうかよく分かりませんが、コーヒーによく合う、美味しいケーキでした(生地にバナナが練り込んであり、バターが割としっかり入っているので濃厚。端っこがカリカリになって食感のアクセントになってるのも好きです)。

 

おしまい。